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稽留流産の記録

1度目の妊娠で稽留流産と診断され手術をした、その記録です。

稽留流産 確定

稽留流産

あれから、気持ちには常に暗い影がつきまとっていたけれど、
不思議と仕事はきちんとこなすことができた。
むしろ仕事をしていると現実を忘れることができ、救われる面も多かった。
流産の可能性ありと言われ会社を休んで、一人めそめそ泣いていた時が、一番つらかった。

流産の可能性ありとわかった翌日、
チームのマネージャーにはすぐ伝え、
仮に出血がおこった場合は、いつ休むか分からない旨を伝えた。
マネージャーはかなり部下想いの方なので、まずは心を優先させて、
仕事は無理しなくていいと言ってくれた。
理解ある上司ですごく救われた。

会社で大出血がおこったら、という恐怖があったので、
出産経験のある先輩一人にだけ、状態を伝えることにし、いざというときのサポートをお願いした。
驚いたことに、先輩も流産の経験者だった。全く知らなかった。
「自分だけじゃないよ。」って言われて泣いた。なんだかすごく安心した。
安心するとともに、本当に流産経験者は多いんだなということを実感する。

家にいるときは、ネットで手術についても自然流産についても調べに調べまくっていた。
正直自然流産がいいと思っていた。手術が怖すぎる。
人によっては、麻酔が効かなくて押さえつけられながら手術したとか、
前処置が痛くて気絶したとか、自然流産したけど出きらなくて麻酔なしで施術したとか、
とにかく恐ろしい情報がわんさと溢れていた。
ただ自然流産もかなりの激痛らしく、恐ろしいのは、綺麗にでなければ結局手術になるということだった。

流産でただでさえ精神的ショックを受けているのに、
痛い思いまでしなければならないなんて本当にしんどすぎる。
自然にするんと出てくれれば一番いいのに。あの幸せな気持ちが一転、お腹に恐ろしい爆弾を抱えているような気になってしまう。
もはや何もかもが恐ろしくて、逃げ出したくてたまらなかった。

ただ、ずっと出血が続いていて、
毎回トイレに行くたびビクビクする状態には正直疲れが出ていた。
はやく終わらせたい。会社にもなるべく迷惑をかけたくない。
そうなるともはや手術するしかないんだとは分かっていた。

そして、この日、金曜日。もう泣かないと決めて診察へ向かった。
最後にもう一度自分の目で赤ちゃんがいないことをしっかり確認したい旨、
大きい病院へ紹介状を書いてほしい旨を先生に伝えた。

エコーの結果は、相変わらずだった。
今までは診察のたびに少しずつ大きくなっていた卵が、まったく成長していなかった。
覚悟は決まった。

あとはどの病院にするか。
前回の診察時、先生からは、タクシーで10分程度の総合病院と大学病院の2つを紹介されていた。
口コミ等を見た限り、大学病院はなんとなく機械的に処理されそうな気がしてしまい、
総合病院を希望した。

すると先生が難色を示す。
ここはお産もやっていてかなり人気だから、もしかしたら手術は後回しにされるかもしれないとのこと。
おそらく胎嚢等が出血と共に出始めて、子宮口が開いた状態になったら来てください、とかそういうことになるだろうと。
それでは母体にも負担だし、おそらく大学病院の方がきっとすぐやってくれるだろうと。

ただ私は大学病院が嫌でごねた。
すると「うーん、じゃぁここはどうだろうね」と言って、
今いる病院から歩いて行ける距離の、別の総合病院を教えてくれた。

お産はやっていないが不妊治療等をやっていて、入院もできると。
さっとネットで調べると、自宅からもタクシーで6分程度だし、最寄駅からも徒歩でいける。
(前述の2つの病院は、駅から遠く、タクシーかバス必須だった。)
お産をやっていないからか口コミは少ないが、不妊治療の口コミはよい感じだった。

先生にここでお願いしますと頼む。
先生が紹介状を書いている間、待合室で待つことになった。

だが30分程度待っても呼ばれない。
なんでだろうな・・・と不安に思っていると、奥さんがやってきた。
「先生、紹介先の病院に電話してるんだけど、うまくつながらないの。
 紹介状だけ書くのでもいいんだけど、電話で細かく確認したいみたいよ。」
とのこと。先生・・・ありがとうございます・・・
ほかにも、今は産婦人科がすごく少ないから、
ボランティアでほかの先生に教えに行っているとか、
儲け主義じゃないから、なかなか病院を新しくできない、とかいろいろ話してくれた。
先生がいい人なのは、普段の診療でも伝わっていたので、話がすごく腑に落ちた。
この先生が紹介してくれる先生なら大丈夫。先生を信じようと思った。

紹介状が書きあがったというので呼ばれると、
常勤の先生がいる曜日と時間や、手術がおそらく木曜日になるから、
水曜から入院になるだろうことなど、電話で確認したことを色々教えてくれた。
本当は今日行ってしまいたかったけど、常勤の先生がいない日だとわかったので、
次の月曜日に行くことにした。

ただ、先生はやはり夜間の出血がすごく心配みたいで、
もし大量に出血したら、大学病院でも総合病院でも、
とにかく電話して、頼んでみることを進められた。
もともと見てもらっていた病院と連絡がつかないと言いなさいと。
もしもそれでもどこの病院でも見てもらえなければ、
うちでも状態だけなら確認できるから来なさいと。
それから先生の携帯番号も教えてくれた。
緊急時にはかけていいと言われた。

小さい個人病院で、泣きじゃくって迷惑をかけた私に、
すごく親切にしてくれて、本当にこの先生には感謝しかない。
何度も頭を下げて、病院を後にした。

午後からは会社に行って、マネージャーに来週おそらく手術になるだろうことを伝えた。
月・火は研修だったから、水曜から金曜まで休むと丸々一週間休むこととなるが、
快諾してもらえた。
最低限迷惑はかけないよう、後輩には理由は伝えずに、もしかしたら休むかもしれない旨を伝えて、
最低限の引き継ぎをしておいた。
これで心置きなく会社のことは忘れて、手術と向き合える。

あとは月曜までの間に大量出血がないことを祈り、
安静に過ごすばかりだった。

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